たららったたたた♪たららったたたた♪たららったった♪たららったった♪たららったったったたかたかた〜ん♪(○P風)

暖かな春の日が差し込んでくるようになって参りました。季節の変わり目、皆様、体調はいかがでしょう。
本日の『軍部3分間クッキング』は講師に鋼の錬金術師、エドワード・エルリック氏(以下「エ」)、特別に助手として弟さんのアルフォンス・エルリック(以下「ア」)氏をお迎えしております。
今回はさらに特別に…と言いますか、講師にお迎えしております、エルリックご兄弟のご都合により、スタジオのある、ここセントラルより遥か東、アメストリスの東の端っこの山中より、なんと野外クッキングをお送りしたいと思います。
あ、アルフォンスさん、猫はしまってください、猫は。お料理番組なんで毛が入っちゃうと、いくら可愛くてもちょっと……はい、結構です。
それでは皆様、世に名高いおちびさんと、猫好きさんの登場です!





エ「誰が世に名高い世界一のチビかーーーーーーっ!!!!」(破壊音)

ア「兄さん、落ち着いて!カメラ回ってるよ!?ナマだからカットできないんだよ!?『しばらくお待ち下さい』とか流れちゃうんだよ!?」

エ「…はっ! …………皆さん、こんにちは。愛と平和の使者、国家錬金術師のエドワード・エルリックです(にっこり)」

ア「……弟のアルフォンスです」

エ「本日のお題はこれ!」(手のひら合わせて錬成反応)

ア「…デコラティブすぎて、字が読めないよ、この看板」

エ「お前が通訳すればいいんだって」

ア「……はあ」



『スイスステーキ』

材料:ステーキ用豚肉2枚(2人分)
   トマトの水煮缶1個
   たまねぎ1個
   じゃがいも2個
   にんにく2かけ
   セロリ1本(あれば)
   小麦粉適宜
   塩・コショウ適宜
   パセリ(贅沢したいなら)
   赤ワイン少量














エ「面倒ならトマト缶、たまねぎ、にんにく、セロリ、赤ワインは『トマトソース缶』でいい。ちなみにオレはトマトソース缶愛用者だ」

ア「兄さん、我慢が足りないから煮詰めてソースになるのを待ってら
れないだけなんじゃ…」

エ「さ。作るぞ!(明後日の方向)」


1.トマトソースを作る


エ「トマトソース缶使用者は無視してもいい…が、説明するとだな」

ア「みじん切りしたたまねぎとにんにくをよーく炒めて、色がかわってぺっとりしてきたら、トマトの水煮を潰しながら加えて、さらにみじん切りしたセロリと、赤ワインを加えて分量が3分の2から半分くらいになるまで弱火で煮詰めます。たくさん作って冷凍ストックしておくと便利だよ」

エ「アル……それ、オレのセリフだと思うんだけど」


2.肉の下処理


エ「加熱すれば肉は縮んで硬くなる。どういう手段を取ろうと肉は熱によって縮む。それを回避するには筋肉の繊維をぶったぎるのみ」

ア「つまり、肉の赤身と白身の境目、筋の部分に包丁で適当に切れ目を入れればいいんですよ。あとはビール瓶とか、重くて叩き易いものでもって、肉を叩いて繊維を壊してください」

エ「次に塩・コショウ、小麦粉を肉の両面に適当にまぶして、油をひいたフライパンで両面を焦げ目が軽くつくくらいに焼く」

ア「あ、兄さん、エプロンしてよ!上着に油染みが…!」

エ「そんなもんねえよ」

ア「じゃ、じゃあ、僕のコレ……」

エ「や、それ……フンドシだろ?」

ア「……………フンドシ」


3.肉を煮込む

エ「トマトソースの鍋に肉を入れてもいいし、肉を焼いているフライパンにトマトソースを入れてもいい。とにかく衣がはがれないように一緒にしてしばらく煮込め」

ア「ここで粒コショウやバジルの葉なんかをいれると、また味が違ってきておいしいんだよね、兄さん」


4.ゆでじゃがをつくる


ア「き、気を取り直して、次はじゃがいもです。ほら兄さん、説明して」

エ「あー、じゃがいもは一口サイズに切って塩茹で。粉ふきいもってわかるか?」

ア「わからない人のために、説明してあげてよ」

エ「鍋に切ったいもと塩を入れて、水をひたひたにして茹でる。竹串が刺さる程度に柔かくなって鍋にゆで汁が残っているようなら捨てて、水気がない状態で鍋を火にかけてさらに水分を蒸発させる。焦げ尽かさないように気をつけつつ、熱伝導をよくするために2〜3回鍋をゆするといい。いものでんぷん質が粉を吹いた状態になれば、それで粉ふきいもの完成だ」

ア「トマトソースにからめて食べるとおいしいんだよね」

エ「カロリーは激増だけどな」

ア「えーと、ダイエットしてる人は粉ふきいもじゃなくて、茹でたほうれん草とか、人参、さっと塩茹でした春キャベツなんておいしいと思います」

エ「塩茹でした菜の花もうまい」


5.肉を取り出して盛り付ける


エ「ここからは感性の問題だ」

ア「……それって兄さんは適正ないんじゃ……」

エ「なにか言ったか、弟よ」

ア「なんにも言ってないよ、兄さん」

エ「そうか? …ま、いっか。それじゃ、肉を取り出して皿にのせる。空いたスペースに粉ふきにしたじゃがいもをのせる。肉の周囲に一緒に煮込んだトマトソースをかける。ちょっと高そうに見えるようにパセリのみじん切りをかける。以上。完成!」

ア「トマトソースは結構余るんじゃないかな。余ったソースはパンにのせてピザソースの代わりにしたり、パスタソースにしたり、あとはカレー粉を入れてカレーとして食べるっていう方法もあります」

エ「茄子、パプリカ、その他の野菜を炒めて入れて、ラタトゥイユってのもありだ」

ア「残ったものでも『おいしいもの』なので、活用してください。ある人は水分をきった豆腐にかけて、オーブンで焼いてましたよ」

エ「料理は実験だ。そして錬金術は台所で実験結果として生まれた。万が一にでも、錬金術の真理を見つけるかもしれない。見つけたらこっそり教えてくれな」

エ・ア「ご報告お待ちしています!!」





いや、ワイルドな料理風景でしたね。
でもお味は国家錬金術師の保証つきですよ!
皆様、是非今晩のおかずにどうぞ!
……え?あら、そう………えー、今回講師としてお招きしたエルリック兄弟にもう反応が。読み上げますね。

『料理などいくらでもしてあげるから、そんな山の中なんかにいないで、早く私の元まで帰っておいで。…なお、このFAXを読み上げない場合、ペナルティとして貴放送局には……』…………えーと、皆様、この局が潰れてなければまた来週お会いいたしましょう。



たららったたたた♪たららったたたた♪たららったった♪たららったった♪たららったったったたかたかた〜ん♪たららった………
ぱっちん♪






        

料理レシピ/ひい様作
イラスト/ray

エルリック兄弟のお料理レシピ