靴鍋
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「さ、できたぜ! オレ様特製鍋!」
にこりと笑って言ったのはエドワードだった。
牛よりも素材を消化しつくすグラトニーの胃袋の中、一体何を具材にしたものか
、
聞くのが少々恐ろしい。珍しいエドワードのにこやかな笑顔も『聞くな!』と
物語っているような気がする。
めいめいが火の廻りを囲むように、適当に座すなか、エドワードだけがきっちり
と膝をそろえて正座しているのも妙に気になる。
「……ひとつ聞きたいのだが一体何を等価に」
「や、絶対美味いから聞くなよ、大佐」
恐る恐るといった体で声を出したロイの勇気を、ぶっつりとエドワードは遮った
。
聞かれたくないらしい。言いたくもないらしい。
そしてなにより、ロイは聞きたくはなかったらしい。
それ以上追求することはなかった。
普段なら見えないはずの機械鎧の輝きが、右からではなく左半身下部からちらり
と
していたのは見なかったことにするらしい。
少なくとも。
そう、少なくともここから見るに鍋の中の具は、真っ当な姿形をしてくれている
。
「……いただきます」
「おう、食え」
たっぷりと盛られた碗からは、そこはかとなくオイルの香りがしていた。
なぜ今まで胃薬の錬成陣を考えようとしてこなかったのか。
そんな後悔とともに、ロイはオイル臭漂う碗に口をつけた。
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靴鍋。
ある意味、踏み絵的な要素てんこもりですな。
『君はエドの靴鍋をおいしく完食できるか!?』
左足の靴だったらオイル味に違いなく(笑)hii
あわてて、読み返しましたよ・・・
両方だったのでは?皇子の食欲では
片方では足りないと思います。
それにしてもロイ・・・愛を試されてる気が・・・
いやはや・・・笑っていーのか・・・
鍋の話をしたら、こんなお話を書いてくれました。
でも、私の話方がハンパでしたので・・・
す・み・ませ〜ん・・・・