豆が帰ってこなかったから、大佐は1人クリスマスですよね。
  自分で書いておいてまったく考えてませんでした。
  そんなわけでオマケです。   2004.1.12 ひい

            
           


  
   

えっとぉ、「大佐は一人でクリスマスですねぇ」
と 書いたら続きをいただいてしまいましたぁ♪♪
すっ・すごいぞ!!
わーいっ!!おまけまでもらっちゃったぁ♪
            
大佐、ちっともへなちょこじゃないですよ。
大好きですっ!
今回は、部下の皆様も出演ですねっ。

アレ呼ばわりされつつも、ちょっぴり愛されてる大佐が
とても好きです。
もう、幸せ(*^_^*) 
ありがとうございます。 玲m(_ _)m

私、おまけをいただいただけで、うれしくって
うれしくって、その先なんて考えてませんでした。
そんな余裕なんて、ナイって… 
それにしても正月も帰ってこなかったんだよねー。
でも、ちゃんと帰ってくるんだからいーのかな?

でも、ひい様、続きーーーっ!!
このさい、豆まきでもバレンタインでもいーからっ
                 (^o^) 2004.1.12  

                    2004.1.17 一部修正

えっと、他の2作ほどには変更はない気がします。誤字なんてあったんでしょーか?私じゃあるまいし……
では、次作「豆まき」を楽しみにお待ちしております。m(_ _)m言ってみるモンですねぇ。2004.1.17 玲


「危険だ……」

 誰かの言葉にその場にいた全員がひそやかに頷いた。

「触るな、喋るな、近寄るな。魂取られるぞ」

 また聞こえた誰かの言葉にみんな大きく頷いた。

「あ、そーだ! 誰か背の低い人が赤いコート着て金髪のかつらを被るとかっ!」

「いや、そりゃ焼き殺されるだろう、間違いなく」

 いい感じに酒の入った脳みそが出した、「いかにも名案、みんな聞いてー?」的な発案には、あっさりツッコミが入り、そのツッコミにみんなが頷いた。どう考えても……いや、考えなくても灼熱地獄が待っている作戦だ。

「まあ、でも。アレはなんとかしねーとなぁ?」

 こんなセリフも愛あればこそ……なのだが、アレは彼らの愛など必要としておらず、肝心の相手から貰えないからこそ落ち込んでいるわけで。
 なんだかんだとちょっと心配になっている大勢を余所に、アレは大きな溜息をついてグラスを煽っていた。イベントにかこつけて酒を飲み、大騒ぎするために集まっているなかで、一人部屋の片隅とはいえ、膝を抱えるようにして溜息をついて酒を飲まないでほしい。非常に迷惑だ。それがこの場にいる人間のなかでの最高権力者であるから、いっそ家に帰れとも言えずにいる。
 アレがああなった理由を、実はここにいる数人はよーく知っている。
 アレの愛しい愛しい子供は始終会えるわけではく、かといって旅先から何か言って寄越すわけでもない。せいぜい軍属である国家錬金術師として居場所を連絡してくるくらい。しかも電話交換手相手にさらりと。
 そんなつれない子供の相手がアレ。感情に溺れることがなかったはずが、今更な本気の恋にめろめろの、こういったイベントにはマメなアレ。
 どうあっても噛み合わないだろうとの大方の予測通り、やはり噛み合っていなかった。
 ことあるごとにぱっと見わからない程度に、グレてスネて手を焼いてくれるアレには困ったものだったが、彼らとしても今日この日のイベントははずして欲しくなかった。東部まで来れないなら来れないなりに、あの子供に何かしらアレへの言葉を期待してしまった。無駄な期待だったが。
 今日はクリスマス・イヴ。
 マメなアレの思考は読むまでもなく『イヴ=恋人たちの夜』だった。
 かくて雪降りしきる聖夜、うかれ騒ぐ民衆と軍部、盛り上がる恋人たち、そして…………見事にかわしてくれた恋人を思って、じめじめとヤケ酒を飲む大佐がここにいる。

「あれはもう酔わせて前後不覚にさせるしかないのかしら」

 このうえなく有能なはずの副官の言葉は、あまり賢い案ではなかった。彼女は上官の落ち込みようを気にすることなく、すでに相当量を飲んでいるらしい。
 しかしそれ以上いい考えも思いつかず。
 しずしずと雪の降る聖夜に悪事を働く者も存外少なく―――雨の日同様雪の日も、晴れの日男な大佐が無能(皆さん忘れているようだが、彼は何も錬金術だけで今の地位に登りついたわけではないのだが)になるいうことを、テロリストが知ったらそうはならないだろうが―――て、まあ、自分たちも独り身なわけだし、いくらイベントで会えないからといって、恋人がいないよりも会えない相手に嘆けるだけマシだろうがとの意を込めて。
 彼らは愛すべき上官を酔っ払わせることに決めた。

「1番ハボック、行きまーっす!」

「ブレダ、アシスタント行きます!」

 まさか女性である自分たちのすぐ上の上官―――彼女はたいそうな酒豪ではあるが―――に行かせるわけにはいかんだろうと、酒瓶を持って立ち上がる彼らに同僚たちが声援と喝采を送った。












 次の日。二日酔いに頭を抱えているところに副官から、今日中に処理するようにと大量の書類を渡された焔の錬金術師は、せめてもの意趣返しにと、昨夜やたらと酒を注いでくれた2人の部下に、こう言った。
 くそ寒いなか雪で動けなくなった列車の移動整理と、大混乱の駅の手配に行ってくるように、と。
 誰のおかげであまり落ち込む前に酔っ払えたのか、そんな自分に不利なことをこればかりは酒の力を借りたとは思えない器用さで忘れ去っている、不条理な上官に、次は知らねえ!と彼らは移動中に叫んでいたという。












 彼らはまた繰り返す。
 新年の宴会に。
 それは彼らの人の良さと、彼らが上司をちょっぴり愛しているという証拠。